小雁塔
市内の南門から約3キロのところにある。長安のほぼ中心に位置する高さ43.3メートルの塔で、薦福寺の境内に建っている。大雁塔と比べて小さいことからこの名がついた。塔は高僧の義浄が天竺から持ち帰る仏教の経典、仏図などを保存するために建てられる塔です。薦福寺は、684年、則天武后が高宗の崩御百日忌に、その冥福を祈るために、創建した寺であるが、現在は寺院建築は残されていない。当時の塔は15階建てであったが、地震で二階部分が崩れ、現在では13階建てになっている。
小雁塔の「神合」
長い年月の間に、小雁塔には「神合」といわれる歴史的な出来事があった。1487年、震度6クラスの大地震が発生し、塔のまん中に、1本の大きな亀裂が入った。34年後の1521年、再び大地震に見舞われ、その時に、一晩にしてその亀裂がふさがったという。
人々はこれを不思議に思い、小雁塔がもとの状態にもどったことを「神合」と呼んだ。1555年9月、王鶴という役人が故郷へ帰る途中、小雁塔に投宿した。その時、この不思議な「神合」の話を聞いて驚き、その内容を、塔北側の入口の横木に刻んだ。
建国後の修復時、「神合」ではなく「人合」であることが判明した。当時の大工が、西安の地質状況を考えて、塔の基礎部分を、土を固めた半円状にして、揺れを分散させていたのだ。そのため小雁塔は、起き上がりこぼしのように倒れることなく、70回以上の地震にも耐えられたのだ。昔の匠の高度な技術に感嘆せずにはいられない。
小雁塔の案内
所在地 :陜西省西安市友誼西路76号
開館時間 :8:00~18:00(冬季8:30~17:00)
休館日 :なし
電話:029-5253455
交通:バス21、46、204路「小雁塔」下車