乾陵
西安の西北約80キロの乾県に位置する乾陵は、唐代の第3皇帝の高宗、李治和とその皇后で中国唯一の女帝であった武則天(則天武后)の陵墓で、“唐十八陵”の中で保存状態が最もよい皇帝の陵墓といわれている。 また、中国の歴史上で唯一、二人の皇帝が一緒に葬られている珍しい墓でもある。
かつては内壁と外壁で城壁が囲まれていたが、現在外壁はすでに消失している。参道には馬、高宗の葬儀に参列した外国の使節や、武官、文官、献上された動物をかたどった石像が120体ほど並んでいる。
陵墓の南東には太子や皇子、公主(皇帝の娘)など17の陪塚があり、永泰公主、章懐太子、懿徳太子の墓はすでにすでに発掘が済んでおり、4300点あまりの出土品が乾陵博物館に展示されている。 17歳で自害させられた高宗の孫娘、永泰公主の墓に描かれた美しい官女たちの壁画は当時の工芸技術の高さを物語る。
梁山には3つの峰がある。北の峰が海抜1047.9mと一番高く、合葬墓はこの峰にある。南にある二つの峰はそれより低く、東西に対峙するその中央に「司馬道」がある。この二つの峰は「乳峰」と呼ばれる。唐高宗と則天武後の地下宮殿は盗掘にあってないというがまだ未発掘である。博物館は永泰公主墓の側にあり、乾陵を中心とする墓群で発掘された文化財が多数展示されている。墓内には、日本の高松古墳のような壁画が見られる。
唐高宗陵墓碑は、高さ2m。もともとあった碑は破損しており、現在の碑は清乾隆年間に建てられたものだ。この碑の右前方には、郭沫若によって「唐高宗李治与則天皇后之墓」の12文字が書かれた碑がある。
乾陵の案内
所在地 : 咸陽市乾県
開館時間 : 8:30~17:30
休館日 : なし
交通:タクシー又は観光バス
電話:5510222