1500年以上の歴史を有する日蓮宗の名刹。境内は広くて静寂である。竹林に覆われたその一角に、古い温泉の井戸がある。その湯気が立ち上る秋冬の朝夕の景色は霞水に包まれている。昔の人はこれを草堂煙霧と呼びんでいた。「関中八景」の一つに数えられている。
現在の草堂寺も人々の注目を浴びる存在だ。仏教文化の発祥地としてはもちろん、自然の景色の素晴らしさにも深い感銘をうける。東は[シ豐]水、南は圭峰にのぞみ、渓流が流れ、木々や草花などの田園風景がとても美しい。
特に秋冬の日の出や日暮れ時は草堂の上から圭峰にまでもやが立ち込め、水墨画のようなその幻想的な風景には陶酔させられる。「草堂煙霧」は「八景之一」にあげられる。
草堂煙霧の伝説
「草堂煙霧」は草堂寺西北の古井戸に関係するとも言われる。寺塔の後ろの竹林がこのもやの元で、昔はいつも煙っていて、帝都長安までゆらゆらとたなびき、寺も全体がかすみに覆われていて、草堂寺を長安城と一つの雲のようにつなげていたという。
後に泥砂で井戸が埋まったために、このような現象はおきなくなった。最近になって草堂寺の全面改修を行なった際に、煙霧井戸の底の泥砂をすくい出した。地質調査の結果、ここの地下は地熱を発しており、40度にも達するという。
特に寒い季節には、水蒸気がもうもうと立ち上る様がはっきりとわかる。当時の記載には、決して作り話ではないとある。
草堂寺の基本情報
所在地 : 西安市戸県
開館時間 : 8:00~18:00
休館日 : なし
電話 : 029-4951437
草堂寺案内図