黄鶴楼
黄鶴楼は武漢市蛇口の黄鶴磯頭にあり、湖南省の「岳陽楼」、江西省の「滕王閣」、山東省の「蓬莱閣」と並び中国四大名楼と呼ばれています。また黄鶴楼は青い空と白雲を背景に、色彩が鮮やかなので「天下の絶景」と「天下の第一楼」とも称賛されています。
黄鶴楼は三国時代の呉黄武二年(紀元223年)から建設が始まりました。当初は軍事を目的としていましたが、唐代になるとその目的はだんだんなくなり著名な名所旧跡になりました。歴代の文人墨客はここへ遊覧に来て、多くの詩を残しています。唐代の詩人崔颢は黄鶴楼で風景を観賞した際、「昔の人は黄鶴に乗って去り、この地にはただむなしく黄鶴楼が残っていた。」という詩を作り、後世に伝わっています。
現在の黄鶴楼は1981年に再建され、清代の「同治楼」をもとに設計されたものです。5階建てで高さは51.4m、建築面積は3219平方メートルあります。建物の内側と外側には鶴を基調として、雲紋、花と草、竜と鳳凰などが描かれています。1階ホールの正面の壁には「白雲黄鶴」という巨大な陶磁器壁画があります。周りには歴代の黄鶴楼に関わる重要な文献や著名な詩の印刷物、歴代の黄鶴楼絵画の複製品が陳列されています。2階から5階までのホールは異なるテーマをもって配置、装飾され特色ある展示が行われています。
晴川閣
晴川閣は「晴川楼」ともいい、武漢市漢陽区の晴川河にあり北には漢水、東は長江に臨んでいます。晴川閣と黄鶴楼は川を隔てて向かいあい、互いを引きたてあいながら景観を作り上げ「三楚名勝」と呼ばれています。晴川閣は明代の嘉靖年間から建設が始まり、黄鶴楼と同じく何度も破壊されており現存のものは清代光緒年間の様式によって1985年に再建されたものです。敷地面積は386平方メートル、高さは17.5mあります。
晴川閣の歴史は黄鶴楼、丘陽楼のように長くはありませんが、その独特な地理的環境、オリジナリティーある美しい造りそしてまた多くの文人名士の賞賛によって、重要な歴史的地位を得ています。そのため晴川閣は「楚で晴川第一楼」とも称されています。