漢方医が治療を行う時、昔から伝わる「陰と陽のバランス」と「望、聞、問、切」の療法を使い、自分自身の体から生じた病気と外的な要因に引き起こされた病気を治療します。中国医学では「陰と陽のバランス」は生命の活力の根本と考えられています。
中国古代の哲学経典である『易経』には「陰陽運動は万物万事の運動法則」と書かれています。
陽:日当たりのよいものや外向的なもの、明るいもの、上昇しているもの、暖かい物や暑いもの、永遠に動いているものなどがすべて「陽」と呼ばれる。
陰:日陰のものや内向的なもの、暗い物、下降しているもの、寒いもの、相対的に静止しているものは、すべて「陰」と呼ばれる。
鍼灸とは中国医学の鍼法と灸法の総称で、中国医学ではとても重要です。鍼法とは特製の金属針を使って体のつぼに針を刺すことによって治療するのです。灸法とは燃えているもぐさを体のつぼに置き、熱の刺激によって治療するものです。2010年11月、鍼灸は世界無形文化遺産に登録されました。
鍼灸とは中国特有の治療法です。医師はまず問診をし、病因を判断します。それをもとに処方を決め、治療をします。経絡を通わせ、気血を調整し、陰と陽がバランスを取るようにします。鍼灸は頭痛や腰痛、足の痛み、肩関節周囲炎、頚部脊椎症、寝違えや顔面神経痛の治療に効果的です。
漢方薬は主に植物系の薬(植物の根、茎、葉、実)と動物系の薬(動物の内臓、皮、骨、器官など)、鉱物薬からなっています。中でも植物系のものが大多数であるため漢方薬は中草薬とも呼ばれています。中草薬として使える薬は5000種類ぐらいあります。後漢時代に記された『神農本草経』には中草薬の性質や用途について多く収録されています。数千年の研究を経て、本草学として独立した分野といえるでしょう。
中草薬には「四気五味」があります。「四気」は「四性」とも呼ばれ、寒熱や温良など、薬の性質を指しています。また「五味」とは辛味、酸味、甘み、苦味、しょっぱさのことで、薬物の五つの味を指しています。中草薬は「気」や「味」によって効果もそれぞれ違います。
中草薬の飲み方も様々です。薬酒にして、また煎じて、そして粉末にして服用します。中草薬には有名で貴重な薬種がたくさんあります。植物系のものではオタネニンジン、冬虫夏草、霊芝、何首烏(ツルドクダミ)、枸杞(クコ)、動物系のものは驢皮膠、牛黄(ゴオウ)、熊胆(ゆうたん、熊の胆とも言う)、ヘビ毒、鹿茸(ロクジョウ)があります。また鉱物薬では、朱砂、代赭石、滑石、芒硝などが最もよく使われています。
「抜火罐(吸い玉)」は鍼灸と同じように物理的な治療法の一つであり、最も優れた物理的治療です。吸い玉は物理的な刺激や圧力によって血液の循環を促し、気血を調整し、体の免疫力をアップさせます。そして熱さによって皮膚の一部を刺激する作用があります。なかでも「大火罐」、「水罐」、「薬罐」はとても効果的です。熱さによる刺激は血管を拡張させ、局部的に血液循環をよくします。それにより血の滞りをなくし、新陳代謝を上げ、体内に残る不要物や毒素の排出を促します。
薬膳とは中国医学で薬用価値のある特別な食材を用い作った料理のことです。薬が食べ物になり、食べ物には薬の効用があります。また栄養が豊富なため、病気の予防や治療、健康促進に効果があります。
後漢時代の末期に記された『神農本草経』には、棗やオタネニンジン、茯苓、当帰、杏仁、烏梅、胡桃、蓮子(蓮の実)、竜眼、百合、附などの草薬が収載され、いずれも薬の効果がある食物で、よく薬膳の材料として使われています。
按摩(別称:推拿)は中国で最も古い治療法です。按摩師は力を入れて患者のツボを押し、それによって筋肉や神経を改善する作用があり、半健康状態から元気を取り戻すのに効果的です。
中国医学では医師による按摩は腰や筋肉の萎縮、偏頭痛などに効果的とされ、副作用は一切ありません。燃やしたもぐさを体のツボに置くといった中国医学の治療法です。(直接に肌に接触しない「懸灸」と直に置くものと二種類に分かれています。)中国医学では、もぐさは温陽補気(気血を改善する)や温経通絡(経絡を暖めること)、消瘀散結、補中益気などの作用があるとされ、特に乳腺炎や前立腺炎、肩関節周囲炎、骨盤内炎症性疾患、頚部脊椎症、糖尿病などに効果が見られます。
気功とは呼吸や体全体、精神状態を調整することによって体を鍛える方法の一つです。気功には様々な種類があり、主に動功と静功の二種類に分かれています。動功とは体の動きを主とするもので、息と体を合わせることが重要とされています。導引派という流派が正にそのとおりです。一方、静功は体を動かさず、意識や呼吸など、自分をコントロールすることによって行う運動です。一般的な気功では動功もあれば静功もあります。
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