莫高窟
莫高窟は千仏洞とも呼ばれ、「20世紀で最も価値のある発見、東方のルーヴル宮殿」と称されています。河西回廊の西端である敦煌市にあり、精巧で美しい壁画や仏塑像で世に知られています。1987年にユネスコの世界文化遺産に登録され、中国四大石窟の一つです。
概況
莫高窟は五胡十六国時代に作られ始め、その後、北朝、隋、唐、五代、西夏、元代を経て造営され続けられたので、巨大な規模となりました。今は735の窟、4.5万平方メートルの壁画、2415の仏塑像を有し、現存する規模が世界で最も大きく、内容が最も豊富な仏教芸術の聖地です。
莫高窟は長い歳月の中で自然の侵食や人為的な破壊を被ったにもかかわらず、世界で現存する最も素晴らしい仏教芸術の宝蔵です。莫高窟は敦煌壁画の長大で豊富な内容が、世界で宗教の石窟、寺院或いは宮殿の最高峰にあると言えます。
ここの石窟は主に唐の時代に造営されました。窟の側面と天井を見渡すと、どこにでも仏像、飛天、伎楽、天女などの図案が描かれています。仏教経典を語る絵、仏教史跡を書く画もあり、神仙妖怪図もあり、そのほか、様々な装飾の絵もあります。莫高窟の塑像は昔から有名で、33メートルに達した仏像もあり、10センチほどしかない小さい菩薩像もあります。ほとんどの窟には塑像があり、数もおびただしく、まるで彫刻の博物館のようです。
建築芸術
現存する500余りの窟の中に492の窟には壁画、色彩の塑像が保存されており、禅窟、殿堂窟、塔廟窟、穹窿頂窟、「影窟」があるほか、仏塔も少しあります。最も大きい窟は高さが40メートル余り、幅が30メートルに達しているに対して、最も小さい窟は高さが30センチにも足らず、多くは現存する古代建築の傑作です。
色彩塑像芸術
仏像、菩薩像、弟子像および天王、金剛力士、神様の像など様々な彩塑(色彩の塑像)があります。
最も高い塑像は34.5メートルで、最も小さなものは2センチぐらいしかありません。彩塑の題材は豊富で、彫刻家の腕まえも素晴らしく、仏教彩塑の博物館と言えます。
17番窟にある唐代の河西都--憎統の塑像とその後ろに描かれている杖を持つ従者は、塑像と壁画を一体化し、中国で最も古い高僧の写実塑像で、歴史と芸術には大きな価値を持っています。
壁画芸術
石窟の壁画は華麗で、仏教の物語、山と川の景色、中国風建築、山水、花草、飛天仏像および当時の庶民の生活実態等の内容を描いています。五胡十六国時代から清代に渡るまで1500年余りの民俗風貌と歴史変遷を表現しています。
古代の師匠は中華民族の基礎にイラン、インド、ギリシアなどの国から粋を取り入れ、多くの壁画を通して、中国文明の発達を明らかにしています。
歴代の壁画は時代によって画のスタイルも違い、中国封建社会の政治、経済、文化状況を反映し、中国古代美術史に輝かしい一章を書き加え、中国古代史の研究に貴重な資料を提供しました。
観光ガイド
- 住所:甘粛省酒泉市敦煌市の東南25km
- 交通アクセス:敦煌市内と莫高窟の間で往復しているバスはバスターミナルの北側、西域路にある敦煌飯店から出発し、絲路賓館、敦煌駅を経由して終点の莫高窟に着きます。朝の8:30から30分間おきに発車し、バス代は8元です。莫高窟から市内に戻る最終便は18:00です。
- 開放時間:「繁忙期」8:00-17:30、「閑散期」9:00-17:00
- 観光に最適な期間:毎年の5月~10月の間です。
- 観光の所要時間:一日間
現在、遺跡保護と観光利用の相互目的が達成できるように敦煌莫高窟デジタル展示センター開設にともない、敦煌莫高窟の観光もインターネットでの完全事前予約システムが導入されることとなりました。予約に関する詳しくは
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