中国旅行中国ガイド中秋節中秋節の食べ物-月餅

中秋節に欠かせない食べ物・月餅の由来、種類、地域性を紹介

　月餅は、中秋節の伝統的な食べ物です。最初は月の神を祭る供え物でした。その後、中秋に月見をすることと月餅を食べることは、「一家団欒の象徴」とされ、月餅はだんだん節句の贈答品になってきました。

　月餅は現在に至るまで発達し、種類は非常に多く、各地方によって、風味も異なります。

月餅は現在に至るまで発達し、品種は非常に多く、各地方によって、風味も異なります。特に「広式」、「京式」、「蘇式」、「徽式」などの月餅は、我が国各地方の人々に広く喜ばれています。

月餅の由来

　月餅は、最初唐代の軍隊から起こり、勝利を祝う食品でした。唐高祖の時に、大将軍李靖は匈奴との戦いに勝利を収めて、８月１５日国に凱旋しました。その時、商売をするトルファン人は、唐の皇帝に勝利を祝うため餅を差し上げました。高祖李淵は、華麗な餅箱を受けて、丸餅を切り分けて、群臣に食べさせました。

　「月餅」という単語は、南宋呉自牧の『夢梁録』という本に記載されていました。中秋節に月見をすることや月餅を食べることを描くのは、明の『西湖遊覧志会』に記載され、始めて、「８月１５日は中秋と呼ばれ、民間で月餅を贈って、一家団欒という意味」になりました。清代になると、月餅の記載については多くなり、月餅の制作はますます精巧になってきました。

月饼の種類

　ここでは、10種類の月饼を紹介します。最初の4つの種類は一般的ですが、最後の3つは新しいもので、ほんの数店舗しか販売していません。

五仁チャーシュー

「五仁」はピーナッツ、ゴマ、胡桃、アーモンド、ヒマワリの実など五種類の材料をよく炒めて、皮を剥ぎ、細かく刻み、そして砂糖を入れて作ったものです。中国古代には「仁、義、礼、志、信」五つの道徳規準があり、「五仁」はちょうどその発音に近いです。

　五仁チャーシューは最も伝統的で人気な風味です。口ごとに味が異なります。ほとんどの中国人、特に高齢者はこの味が好きです。

こしあん

　一般的には、小豆餡を指します。作り方は小豆を粉に碾き、煮え上がった後、シロップを入れて、糊状になるまで煮ます。小豆餡のほかに、緑豆餡は広くお菓子作りに使われています。こしあんは様々の美味しい食物を作ることができます。

蓮の実

　蓮の実は、蓮の実を磨り潰したものとラード、砂糖、他の香料と一緒に混ぜて作られます。

　真ん中の黄身は、一般的にアヒルの卵を厳選し、鹹蛋（xian dan, アヒルの卵を塩水に漬けたもの）の黄身にした後、黄身の中の油を十分に集め、黄身周りの油が四周に溢れます。色合いがとてもよく、柔らかくて口に合い、それにアヒルの卵の生臭さもなくなります。

雪の皮

　雪の月餅は香港で生まれ、中国で流行している非焼き月餅です。皮は冷凍もち米で作られており、白く見えます。一部の人々はそれが、よりカラフルに見えるようにするために、皮の素材にジュースを入れます。詰め物は甘味または塩味、あるいはその両方、例えば果物およびアヒルの卵黄です。

果物と野菜

　果物と野菜の月餅は新鮮な野菜や果物がいっぱい入れてあります。その食感は柔らかくて滑らかです。ハニーデュー、ライチ、パイナップルなどの詰め物は、伝統的な月餅をより健康的にします。

チョコレート

　チョコレートの月餅は、中秋節をよりロマンチックにします。魅力的な月餅の外観と濃いチョコレートの雰囲気が、伝統的な中国文化と西洋のロマンチックな文化を融合させています。皮はチョコレートでできていて、中身はオートミール、ベリー、オレオなどがあります。

緑茶

　お茶と月餅は最も伝統的な食品の一つです。そしてそれらは一緒に「緑茶月餅」という新しい月餅を生み出しました。主に茶葉と蓮ペーストのような成分でできています。新鮮なお茶の味で、油の味が取れ、バランスがよくなります。

アイスクリーム

　アイスクリームの月餅は月餅の新しい種類です。さわやかな味で若者の間で人気です。皮は通常チョコレートでできており、中身は好きなアイスクリームならどれでもかまいません。

クリームチーズ

　クリームチーズ月饼の主な特徴は、強いチーズ味を持ち、しゃきしゃきな皮です。他の月餅ほど甘くないです。多くの詰め物があり、様々なお客さんの好みに合うようにペーストやジャムがあります。

シーフード

　シーフードの月餅は他の種類の伝統的な月餅よりも高価です。名前のように、アワビや海藻などの魚介類でいっぱいです。味は新鮮で塩辛いです。もし、甘い月餅が好きでなかったら、シーフードの月餅をおすすめします。

月餅の地域性

広式月餅

「広式月餅」は味付けを重んじ、精細な工芸、厳格な制作、味わいがつきないことで、月餅界のリーダーです。「広式月餅」は目下のところ、最大の種類の月餅で、その起源は広州で、今全国各地で流行しています。広東、江西、上海などの地方で生産され、特徴は皮が薄く、餡が大きいです。常に皮と餡の比率は１：4、食べる時にふわふわして、細かく滑らかです。代表格は厦門の「上好仁真」、広州の「蓮香棟」、「金口」及び「広州ホテル」の白連の実餡月餅です。

京式月餅

「京式月餅」は北京、天津および周辺地域から起こって、北方に一定の市場があります。主な特徴は、甘みと皮と餡の比例がちょうどよく、一般に皮と餡の比率は2：3、餡に特別な風味があり、脆く柔らかです。主な製品は「上好仁真の卵黄茶油月餅」や「北京稲香村の自來赤月餅」などです。

蘇式月餅

「蘇式月餅」は最初に蘇州一帯から起こり、主な特徴は餅の皮がサクサクして柔らかいことです。餡には五仁餡、漉し餡などがあり、甘みは他の種類の月餅より高いです。正確にいえば、「蘇式月餅」の名は「酥式（su shi。サクサクして柔らかいという意味）月餅」と呼ぶべきです。

蘇州の月餅は非常に繁栄していて、恐らく最初の「蘇式月餅」という名を得た原因です。「蘇式月餅」の形成は「京式」よりちょっと遅かったが、我が国の月餅に最大な影響を与えました。「酥皮」の応用範囲はとても広くて、今でも衰えません。江蘇、浙江、上海一帯で盛んです。

徽式月餅

「徽式月餅」の皮は「油酥皮」で、上等な小麦粉を使い植物油と一緒に混ぜ加工して作られたものです。餡は野菜を採用し、塩漬けに加工する工程を経て、新鮮なラードと砂糖を加えて作ったものです。主な代表は「梅干し月餅」です。

滇（dian,雲南省の別称）式月餅

「滇式月餅」は主に雲南、貴州及び周辺地域から起こって流行し、現代他の地域でも消費者の歓迎をだんだんと受けています。主な特徴は餡が滇式ハムを使用し、月餅の皮はサクサクして柔らかく、餡の塩味と甘味がちょうどよく、特有の滇式ハムの匂いがあります。主な製品は昆明の「吉慶祥」で生産された「雲南ハム月餅」です。