画像磚
画像磚(がぞうせん)というのは、まず下絵に煉瓦の型板を作り、粘土で造形し、そして彫刻、装飾してから、窯(れんがや陶器などを焼く場所)に入れて、焼成させたものです。
煉瓦は形により、方形煉瓦と条状煉瓦に分類できます。ほかに、中空煉瓦があります。唐代以降は、琉璃釉磚(釉薬を用いて発色させた磚)が出現します。画像磚は、画像磚石に対して煉瓦でつくられたもので、画像石と同様、主に墳墓の前の祠堂(しどう) 、墓室に彫刻します。煉瓦の表面に浮き彫りした、さまざまな画像があることで有名です。
工芸品とする画像磚は、磚の表面に幾何学模様と動植物、あるいは人々の生活の情景などを形にしたもの、仏を彫り出した磚仏などもありますが、主に墳墓や仏塔などに用いられました。
中国民間の素晴らしい芸術品と言える画像磚は、中国戦国時代の末期から、宋と元の時代にかけて十四、五世紀続きました。今まで発見された画像磚は、この十四、五世紀の変化を反映しています。資料によると、最初に発見された画像磚は、陕西省の咸阳で出土した、秦時代の遺物です。前漢の時、画像磚には僅かな発展があり、後漢になり、画像磚は更に多くのところで発見されました(例えば、四川省)。それらの「画像」には、伝説、宴会、人物、建築などがあり、言いかえれば、当時の社会、信仰、風俗、服装、などの様子が反映された、当時の社会の生活や文化を知ることができる重要な資料にもなっています。また、画像磚からは、古代の中国人の日常生活と、人生観をさらに理解し、感受できるでしょう。