新疆ウイグル自治区にあるカーレーズは古代に作られた2000年以上の歴史を持つ水利施設であり、偉大な発明であるとともに、オアシス都市トルファンの命の源でもあります。そして、カーレーズは万里の長城及び京杭大運河とともに「中国古代における三大施設」と呼称されています。また、四川省の都江堰、広西チワン族自治区の霊渠とともに、「中国古代における三大水利施設」と讃えられています。
カーレーズは暗渠、縦井戸、明渠、貯水タンクなど、四つの部分からなっています。そして、主要部分は地下にあり、貯水場所と流水場所は分かれています。
暗渠の通常の高さは1.5メートルから1.7メートル、幅は0.6メートルから0.7メートル、長さはほぼ5キロメートル、一番長い場合は20キロメートルにも達しています。かつて、新疆全域におけるカーレーズは最も多い時は1784箇所ありました。暗渠は全長は5272キロメートルで、縦井戸の数は172367個でした。出水量は年間8.58億立方メートルでした。しかし現在では、新疆全域にはカーレーズが614箇所しか残っていないので、出水量も年間僅か3.01億立方メートルになっています。そのうち、トルファン地域において、カーレーズは404箇所残っていて、出水量は年間2.31億立方メートルになっています。ところで、一部の農村地域では、カーレーズは今でも灌漑及び飲用、生活していく上での必要な水源です。
カーレーズの歴史、文化、乾燥地帯の生態系における作用などを国内外の人々に紹介、PRするために、1992年、新疆カーレーズ研究会は資金を投入し、トルファン市に「カーレーズパラダイス」を建設しました。「カーレーズパラダイス」の中に、三つのカーレーズが整備されています。主に観光用のカーレーズの暗渠は800年の歴史を誇る最も典型的なカーレーズである「ミイムアジル」の下流部分にあります。そこで、観光客は地下十数メートルにあるカーレーズの長さ100メートルの見学コースに沿いながら、当時のカーレーズの暗渠と縦井戸の様子を初めて知ることが出来ます。