玉泉公園は、麗江で有名なスポットの一つで、「黒龍潭」とも呼ばれています。麗江古城から西北約 1kmのところにある象山の麓に位置し、黒龍潭と呼ばれる池を中心とした公園です。池は玉龍雪山の雪解け水が、山麓の岩間から湧き出てできたもので、池水が澄んでいて、碧玉のように美しいことからこの名前が付きました。周囲は緑豊かな森に囲まれ、所々に美しい古建築が見られます。眺めて飽きない景色です。池水の揺れが無いと、玉龍雪山の雄姿が水面に鏡のように映り、とても綺麗で、このシーンは麗江の代表にもなっています。
公園の入り口に壮観な牌坊(はいぼう:中国の伝統的建築様式の門)が導べとして建てられています。「玉泉公園」と書かれた扁額(へんがく)が高い位置に掲出され、文字に民族の意気が込められています。筆勢が雄渾(ゆうこん)で力強く、書画名人-呉作人氏の傑作であります。体を丸くして座ったような形をした一対の石獅子が左右に置かれ、魔よけとして、毅然とした姿で公園を守っています。門をくぐり、彩る小石で敷かれた細道を右へ進むと、「鎖翠橋」が目に入ります。長さ十数メートルの廊下橋で、下のトンネル部分から黒龍潭の池水が滝のように、岩肌にぶつかりながら流れ落ちて行きます。
「得月楼」は公園の中心的存在で、黒龍潭の真ん中に建てられています。60年代に修復されたもので、三層の軒は広げた翼のように、今にも飛び立つように見える非常に美しい建物です。「得月楼」の扁額及び掲げられた2対の対聨(対偶法で書かれた一対の語句または文)は、郭沫若氏の作品で、筆勢が洒脱で力強く、楼に上品な趣を添えてくれます。
「泉心百花洲」は新たに建設されたスポットで、「五孔橋」を渡った所にあります。橋は大理石製、優美な造りでトンネル部分は五つの虹のように見え、滑らかな水面に映る逆さ影と相俟って、実に素晴らしい景色です。波と戯れる鯉の群れ、しなやかな垂れ柳、咲き誇る花々など、百花洲の風景を眺めていると心が癒されます。
法雲閣ともいわれる「五鳳楼」は公園の北畔に位置し、明万暦29年(1601年)に創建され、県城西北部の福国寺から移設されてきました。3層からなる八角形をした楼閣で、高さ20m、弓状に反り上がる庇(ひさし)が20ヶ所、どの角度から見ても5つの庇が見え、まるで5羽の鳳凰が飛び立つように見えることから名付けられました。雄大で装飾華美な五鳳楼は、古建築の傑作と賞賛され、現在は「トンパ文化博物館」として利用されています。
「解脱林」は公園の南側に位置し、明代に創建された「福国寺」が前身となり、70年代に麗江古城北西の芝山から移設されてきました。かつてこの地を治めていた豪族-木氏によって建てられ、繊細且つ優美な造りで彫刻や壁画なども華美を極めました。現在では「トンパ芸術館」となっており、トンパ文字を使ったさまざまな民芸品が展示されています。