標高2365メートルの地点にあるこの滝は、幅270メートルと中国一を誇ります。落差は20メートルあり、中国最大級の大きさの石灰岩(水に溶けている炭酸カルシウムが沈殿してできた縞状石灰岩)滝の一つです。1986年の中国中央テレビのドラマ「西遊記」のラストシーンはここで撮影されました。
諾日朗はチベット語で「ノリラン」と読み、壮大かつ雄大な「男神」を意味し、ダイナミックなその勢いからそう名づけられました。諾日朗池群から勢いよく流れて出て来る水はここで滝となり、まるで流れ落ちる銀河のようです。岩を打つ音が轟きわたり、谷を震わせます。特に南側は水の勢いが激しく霧のような水しぶきがヒヤリとします。朝日に照らされると何本もの虹がかかり、絶景を堪能できます。
滝の向かいには見晴台が作られており、滝を一望できます。秋になると幅300メートルに及ぶ滝は霧や雲などと相まって秋の風景を作り出します。ここで多くの映画やテレビドラマの撮影が行われました。
四季の景色
諾日朗瀑布では四季折々で異なる景色が広がります。春には滝は眠りから覚めた子供のように山から谷へと流れ、若葉色に満ち溢れており生き生きとした印象を与えています。
夏には水量が増し、岩肌を流れ落ちる滝は轟音をたてながら水しぶきを上げています。流れの緩やかなところでは幾筋もの細い流れがしずくのようになって、まるで真珠や飛散する玉のように落ちてゆきます。ずっと眺めていても飽きない光景です。
秋が深まると山や谷は紅葉で赤く染められ流れ落ちる水の姿と相まって油絵のような風景を呈します。諾日朗瀑布の最も魅力的な季節です。
冬が厳しさを増す頃、滝は凍り一枚の氷の絵のようになります。日差しの下では多彩に輝き、月夜では詩や絵のような情趣に満ち溢れています。