斉曇山は中国の伝統的な宗教である道教の四大名山の一つで、かつては白岳と呼ばれていました。徽州休寧県の西側15キロメートルにあり、標高は586メートルあり、総面積は100平方キロメートルです。36の峰と72崖が聳え、穴、池、湖とが一体となって美しい風景を作り出しています。
斉曇山は、一つの峰が聳え、雲の塊にまで伸びている」ために、その名が付けられました。命名からして雲より高そうですが、実は斉曇山の標高はわずか585メートルで、高さで自慢できるほどではありません。険しい崖が斉曇山の特色なのです。奥深くひっそりとしている谷、高く聳えた峰がここに集まり、一層その急な勾配を表し、神秘な雰囲気を醸し出しています。
山全体は典型的な丹霞地形(たんかちけい、赤い堆積岩が隆起したために断崖の断面が赤く見える美しい地形)であり、崖、穴、石の壁などはすべて赤い色を呈し、青々と茂っている草木と対照的なため視覚的なインパクトがあります。鮮明かつ壮大な景色が堪能できます。
文化
特別な姿の山と崖があり、秀麗な水の景色があり、また幽玄な穴もあり、歴史上では、たくさん有識者がここに遊覧し、文学的価値の高い書を残しています。なかでも、明の時代に江南の才子に呼ばれた唐寅はここに「紫霄宮玄帝の碑文」を書いています。この碑文は、2.4丈の高さを持ち、字は美しくかつ力強く見え、筆勢も雄偉で碑のマスターピースと言えるでしょう。
月華町
月華町は、道士や住民が住むところであるとともに、山上にある町で、観光客や信徒らの宿泊場所でもあります。現在でも月華町には古代道教の建築が8つ残っており、また、多くの徽州の伝統的な特徴の残る民家が残っています。道教の寺や古民家が密集し、大規模な建築群になっています。
小壺天
小壺天は、月華町の長生楼の下にあり、明の時代に石で作られた建築物で、一番上は「小壺天」という名が付けられています。この石作りの建物の入口はひょうたんの形をしており、建物に入ると、20メートルの長さ、3.3メートルの幅、2.5メートルの高さで崖の壁面に沿って石窟が続きます。この石窟のすぐ横は険しい崖です。崖側に立つと、壮大な景色が広がっています。一説によれば、ここはかつて道士らが昇華し仙人になる場所とされていたとのことです。