西湖の南、虎ホウ山の麓に湧き出る虎ホウ泉は、江蘇省鎮江の中冷泉、無錫の恵泉と並び、「天下第三泉」と呼ばれる名泉である。泉の名は、9世紀初め頃、高僧性空がこの地に住んでいた時、水に困り、神のお告げにより2匹の虎に泉を掘らせたという伝説からきている。溶けにくい石英沙岩の中を流れてくるこの水はミネラル分が少ないため、甘味のある味でで知られている。表面張力の強い水としても有名で、碗になみなみと注いでも2,3ミリも盛りあがり、こぼれにくい。この水で入れた龍井茶の味は格別で、古来より「西湖双絶(西湖で第1級の2つのもの)」と言われている。もともとここは、819年に創建された虎距寺という禅寺で、現在も五百羅漢堂、虎距寺旧跡、五大経幢などが残っている